ALCOA+CCEAについて
「ALCOA (アルコア)」とは、「Accurate(正確性)」「Legible(判読性)」「Contemporaneous(同時性)」「 Original(原本性)」「Attributable(貴族性)」の頭文字で、データインテグリティ(データの完全性)を証明するために満たすべき要件として1994年にFDAが初めて概念を示しました。現在でもデータインテグリティの基本要件となっています。
また「ALCOA+ (アルコア プラス)」とは、ALCOAに「Complete(完全性)」「Consistent(一貫性)」「Enduring(耐用性)」「Available when needed(可用性)」を加えたデータインテグリティの要件のことで、2010年にEMA(欧州医薬品庁)が発出したガイドラインにて詳細が示されています。
具体的には以下のような要件となります。
- ALCOA(Accurate, Legible, Contemporaneous, Original, and Attributable):
- Accurate(正確性): データは正確で事実に基づいていること
- Legible(判読性): データは認識できる形(読めて理解できる)であること
- Contemporaneous(同時性): すべての記録が作業と同時に作成されていること
- Original(原本性): 保存媒体に関係なく「最初に作成された記録」が明確であること
- Attributable(帰属性): すべての記録について「誰が」「いつ」作成したのかが分かること
- CCEA(Complete, Consistent, Enduring, and Available):
- Complete(完全性): データは必要なすべての情報を含むこと
- Consistent(一貫性): データは矛盾のない一貫性のある情報であること
- Enduring(持続性): 記録が必要な期間、閲覧できる形で保存されていること
- Available(利用可能性): データは必要なときに利用可能であること
これらの原則は、製薬、臨床試験、研究などのさまざまな分野でデータの品質と信頼性を確保するために使用されます。特に規制機関によってデータの提出が求められる場合、ALCOA CCEA原則は重要なガイドラインとして扱われます。データの不正確さや信頼性の低さは、製品の安全性や効力に関する判断に影響を与える可能性があります。
なお、医薬品業界におけるデータインテグリティ実務対応・FDA査察対応等については、こちらの文献がわかりやすく大変参考になります。