医療用医薬品、一般用医薬品、指定医薬部外品、医薬部外品の違い
医薬品医療機器等法では「医薬品」と「部外品」に分かれます。
そのうち医薬品は「医療用医薬品」と「一般用医薬品」に、部外品は「指定医薬部外品」、「医薬部外品」に分かれます。また一般用医薬品は安全性リスクに応じて「第一類」、「第二類」、「第三類」に分かれます。それぞれのカテゴリについて以下に詳細を説明します。
医療用医薬品 | 一般用医薬品 第一類 | 一般用医薬品 第二類 | 一般用医薬品 第三類 | 指定医薬部外品 | 医薬部外品 | |
承認者 | 厚生労働省 | 厚生労働省 | 厚生労働省 | 厚生労働省 | 厚生労働省 | 都道府県 |
特徴 | 医師や歯科医師の処方に基づいて使用される薬品であり、厳格な安全性および有効性の評価が必要。 | 高いリスクを持つ成分を含むため、薬剤師の指導が必要です。 | リスクが比較的低いが、使用方法に注意が必要な薬品。薬剤師や登録販売者からの指導が推奨。 | リスクが最も低く、消費者が自己判断で購入できる薬品。 | 医薬品に準ずる効果があると認められた製品。 | 医薬品や医療機器ではないが、体の構造や機能に影響を及ぼす製品。 |
代表例 | 抗がん剤、抗生物質、糖尿病薬など | 胃酸抑える薬、痔の薬、発毛剤など | 鎮痛薬、風邪薬、整腸薬など | ビタミン剤、口内炎剤、湿布など | 栄養ドリンク、うがい薬、消毒剤など | 化粧品、除菌剤、歯磨き粉など |
医療用医薬品
医師の診察を受けた後に処方される薬品で、薬局で調剤されるものです。医療用医薬品は医師、歯科医師、薬剤師の指示に基づいて使用されます。代表的なものには以下が含まれます:
- 抗生物質(例:アモキシシリン)
- 降圧剤(例:エナラプリル)
- 糖尿病薬(例:インスリン)
一般用医薬品
処方箋なしで購入できる薬品で、さらに以下の3つの類型に分けられます。
第一類医薬品
効き目が強く、副作用のリスクがあるため、薬剤師からの説明が必要。購入時に薬剤師が対応し、情報提供を受けることが義務付けられている。またインターネット販売も可能だが、薬剤師による事前の確認が必要。
- スイッチOTC(医療用から転用された薬)例:ガスター10(胃酸を抑える薬)
- 痔の治療薬 例:ボラギノールA注入軟膏
- 毛髪用薬 例:リアップ(発毛促進薬)
第二類医薬品
副作用のリスクが比較的低いが、使用方法に注意が必要。薬剤師または登録販売者の対応が必要だが、第一類ほどの厳しい管理はない。購入時に必要に応じて説明を受ける。
- 鎮痛薬 例:イブA錠(痛み止め)
- 風邪薬 例:ルルアタックEX(総合感冒薬)
- 整腸薬 例:新ビオフェルミンS錠(腸内環境を整える)
第三類医薬品
効き目が比較的穏やかで、副作用のリスクが低い。薬剤師や登録販売者の対応は必須ではなく、セルフサービスで購入可能。
- ビタミン剤 例:チョコラBB(ビタミンB2主成分)
- 口内炎治療薬 例:アフタッチ(口内炎治療)
- 湿布薬 例:サロンパス(貼付型の痛み止め)
指定医薬部外品
医薬品ではないが、医薬品と同等の効果が期待されるもの。例えば、ビタミン剤や栄養ドリンクなど。医薬品ほどの厳しい規制はなく、ドラッグストアやコンビニエンスストアでも購入可能。
- 栄養ドリンク 例:アリナミンV(ビタミンB群を含む栄養ドリンク)
- うがい薬 例:イソジンガーグル(ポビドンヨードを含むうがい薬)
- 口腔用殺菌消毒薬 例:オロナインH軟膏(広範囲の消毒効果を持つ)
医薬部外品
医薬品や医療機器ではないが、体の構造や機能に影響を及ぼすもの。化粧品や除菌剤、歯磨き粉などが含まれます。
- 化粧品 例:SK-II(スキンケア化粧品)
- 除菌・消毒剤 例:ビオレu手指消毒液(エタノールを含む消毒剤)
- 歯磨き粉 例:クリアクリーン(フッ素を含む歯磨き粉)